決して僕たちは“普通”ではない。目の前で起こる理不尽に立ち向かえない理由。

人間ってけっこう自分自身のことを「標準」だと思っている。だけど残念ながら僕も僕以外も「普通」ではない。

アメリカの心理学者、スタンレー・ミルグラムは

生まれつきのサイコパス、あるいは「悪」は存在するが、統計上はまれであり、むしろ警戒すべきは「普通」の人間である

と言いました。この発言のきっかけになった有名な実験があります。それがミルグラム実験。アイヒマン実験とも言われるこの実験は、“普通の人”の道徳心を覆すものになったんです。

実験の内容は、先生役と生徒役そして試験官がいて、先生役は生徒役が問題を間違えるたびに電流を生徒役に与えます。
試験官はそれを観察して「続けるように」と指示します。

実は生徒役はわざと間違えて電流が流されてもがく演技をしている役者です。
指示のもと苦しむ生徒役を目の前にした人間は、実験をやめるように試験官に言いよると予想されたこの実験。

なんと、ほとんんどの人間が指示に従い最高レベルまで電流のスイッチを入れ続けました。

ナチスドイツ下で行われた虐殺も、各地で行われてきた虐殺も、第三者が見れば猟奇的にみえたとしてもいざ自分がその支配下に置かれると人は残酷な生き物へと変わっていくのです。

この実験でわかった人間の行動。僕はあらゆる場面でそれを見てきました。

例えば野球指導現場。

どう考えても理不尽なことが目の前に起きていても、支配下に置かれた選手や父兄はなにも言えないんです。反抗すらできない。

「言ったら周りから孤立するんじゃないか」
「レギュラーを外されるんじゃないか」

そんな見えないコントロールのもと子供たちを守ることすらしないんですよ!

他人には「それは良くない」「ありえない」なんて言っておきながら、いざ自分が理不尽な場面に遭遇すると屈してしまう。

こんなことで子供を守れるんですかね?
会社員時代もそうだった。
どう考えても間違った方向性の上司がいても、影で文句を言うだけで誰も立ち向かっていかなかった。

「昇給になにか影響が出るかも」
「会社に居づらくなるんじゃないか」

僕は野球部でも、会社でも変人扱いをされ去るしか無くなっていったんです。
でも、そんな場所にいたら自分が腐ると思った。

人間なんてそんなもんなんですよね。
結局大きな権力の下では、簡単に自分の信念を曲げて、変えて、自分の体裁を守ろうとする。

自分の信念捨てたら、自分の存在ってどこにいっちゃうのか。
目の前で苦しんでる人すら助けられなくなっちゃうんじゃないか。

心理的に立ち向かえない場面なんてたくさんあるけど、「そうじゃない」という信念は持っていたいって思うし、変えることができるのであれば変えていきたいって思うんですよ ね。

僕たちは知らぬ間に、支配のもとに猟奇的になっている。
その自覚くらいは常に持っていよう。
そしていじめや、体罰や、理不尽なことなどに賢く対処できるような受け身は学んでいかないといけないんじゃないかって思うんです。

ちばつかさ 心と体の中身から

元プロ野球選手の柔道整復師 心と体のコーディネーター ちばつかさのWEBサイト

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